研究課題/領域番号 |
20360059
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
高野 直樹 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (10206782)
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研究分担者 |
鳥山 寿之 立命館大学, 理工学部, 教授 (30227681)
山東 篤 和歌山工業高等専門学校, 知能機械工学科, 助教 (50435442)
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キーワード | 動的解析 / モデル縮約法 / 高速化 / MEMS / 不確かさ / エッチングシミュレーション / 応答曲面法 / 熱流体一構造連成 |
研究概要 |
本研究は、MEMS設計で多く見られるマルチスケール問題の動的解析に焦点を当て、高速化を目的としてモデル縮約法を用いた高速マルチスケール動的解析法の確立を目的とする。 解析の品質向上に有益な荷重条件の不確かさに対処するため、本年度はモデル縮約法の一つであるBSOAR(block second order Arnoldi)法を適用し、約12万節点の簡単な例題において、時間の関数となる荷重の方向と立ち上がり時間に不確かさを考慮したところ、従来の陽解法と比較した場合に25倍以上の高速化が実現できることを確認した。2つの不確かな荷重パラメータに対する変動応力振幅の感度を求めることができたが、確率密度関数を出力できるモンテカルロシミュレーションに応用した場合の計算コストを見積り、従来法では全く不可能であった10,000ケースの動的モンテカルロシミュレーションが、複数のPCを用いれば実用的な時間で実行可能であるとの知見を得た。 また、MEMSの性能評価のためのシミュレーションだけでなく、エッチングプロセスシミュレーションという別の動的解析にも取り組んだ。エッチングパラメータが実測不能であることから、応答曲面を独自の手法で予測し、パラメータの自動同定のための収束方法に工夫を加え、HF50%溶液によるSiO2のエッチングプロセスシミュレーションに成功した。 成果公開のため、上記の事項に加え、昨年度実施した熱流体-構造連成問題の実用的マルチスケールモデリング法について、日本機械学会、電気学会で発表を行った。
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