研究課題
近年、急速に開発研究が進められてきたナノ材料を積極的に活用した新しいナノセンサや、革新的なナノシステムを開発することで、高度付加価値社会の実現が期待されている。そこで本研究では、ナノデバイス開発に必須となるナノ材料単体のナノメカニクス特性の高精度評価を目的に、『ナノ材料専用マルチフィジックス特性評価デバイス』の新開発、および同デバイス上の所望の位置にナノ材料を設置するための技術開発を実施する。平成20年度はナノ材料評価専用MEMSデバイスの開発を目指し、1)各種マイクロアクチュエータおよび変位センサを搭載したデバイス要素の設計を実施するとともに、2)同デバイス上にナノ材料を捕獲、固定化するためのFE-SEM内に搭載可能な3軸ナノステージの開発を行った。1)においては、ナノ材料引張駆動用には静電駆動式マイクロアクチュエータを、ナノ材料固定用としては熱膨張式マイクロアクチュエータを搭載することとした。また。変位計測用には静電式変位センサを採用する。これらアクチュエータ、センサは、MEMSプロセス技術によりシリコン基板上に一括加工することで、高精度な形状寸法を確保する予定である。一方、2)においては、PZTアクチュエータを用いた超小型3軸ナノステージを開発した。FE-SEM内に設置することを目的にしているため、同ステージの外形寸法は20mm立方以内に収まるように設計している。また、ナノ材料の捕獲、操作、固定を目的にしていることから、100nmの変位分解能と5mm移動距離を目指し、PZTパルス駆動機構を新規に開発した。
すべて 2008
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Journal of Micromechanics and Microengineerings, Institute of Physics Vol. 18, No. 6
ページ: 065011