研究概要 |
本申請研究は,局在フォトン生成制御技術と光触媒の金属イオン還元作用を融合し,金属からなるマイクロ三次元機能構造を創製可能な,全く新しいマイクロ光造形法の開発を全体構想としている,平成20年度は,提案手法の基本創製メカニズム探求の基礎構築を主要目的として,以下の具体的な成果を得た. 1.CWレーザを用いたマイクロ三次元金属構造創製基本実験装置の構築(高増潔・高橋哲担当)波長405nmの連続発振レーザを光源として採用したマイクロ三次元金属構造創製基本実験装置を設計・開発した.本実験装置においては,高NA対物レンズを用いることで,光触媒ナノ粒子と金属イオン溶液を保持する加工セル内に,三次元的な局在フォトン場を生成し,そのフォトン場を制御することで,任意位置での金属構造析出を行う. 2.超長作動距離顕微ユニットを利用した横方向インプロセス観察システムの開発(高増潔担当)加工セルに横方向観察窓を設けるとともに,超長作動距離顕微ユニットを設計・構築し,(20-1)で開発を行ったマイクロ三次元金属;構造基本実験装置に組み込んだ.本システムの顕微ユニットは,加工セルに上方から近接している加工用局在フォトン制御対物レンズとの位置的干渉を避けるために,長作動距離化を行った. 3.局在フォトン制御用全反射界面位置の実時間フィードバック機構の開発(高橋哲)エバネッセント光を局在露光エネルギーとしても適用する場合は,その界面位置の微小変化が構造物の創製精度を支配する.そのため,ここでは,露光波長と異なった波長632.8nmのHe-Neレーザを用いた共焦点光学系を組込,全反射界面位置をインプロセス中でモニタ可能な実時間フィードバック機構の開発を行った.さらに,定在エバネッセント波を全反射界面上に発生させることで,創製微細構造体を高分解能観察できる可能性があることを示した.
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