研究課題
平成21年度は、昨年度開発した高静水圧環境下微細押込み加工実験装置を用い、ガラスの押し込み加工実験を行った。押込み工具としてビッカース圧子を用い、OMPaおよび100MPaの静水圧を負荷した中でビッカース硬度および見かけの破壊靱性値を測定した。押込み荷重は0.4Nから2.5Nまで0.2N間隔で設定し、押込み荷重の影響も調べた。昨年度購入したナノスケールハイブリッド顕微鏡に解析ソフトを新たに組み込み、押込み痕を詳細に分析した。この結果ビッカース硬度については静水圧を負荷することにより、特に低荷重において硬度が低下する傾向が見られた。これは静水圧によりガラスと水の反応が促進され、表面に軟らかい水和層が形成されたためと考察した。一方、見かけの破壊靱性については変化は見られず、静水圧の破壊抑制効果が見られず、押込み加工における破壊機構が切削加工とは異なることが明らかになった。微細押し込み加工による表面機能の発現の可能性を検討するために、微細押し込み加工したガラスや金属の透過率および反射率を分光光度計にて分析した。この結果、加工パターンの違いによる光学特性の変化を明らかにした。
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WEAR 266, No.5-6
ページ: 581-584
International Journal of Material Forming Vol.1, 1
ページ: 491-494