研究課題/領域番号 |
20360066
|
研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
明田川 正人 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (10231854)
|
研究分担者 |
平田 研二 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (40314364)
|
キーワード | ナノメートル / 絶対長さ / 周波数標準 / 電気光学素子 / ファブリーペロー共振器 / FMサイドバンド / 干渉 / 零位法 |
研究概要 |
ファブリーペロー光共振器の光学的共振器長(nL)は、光速度(c)を隣接する共鳴周波数差(自由スペクトル領域:FSR)で除算することで決定可能である。すなわち長さを周波数測定から決定可能である。本研究では、外部共振器型周波数可変半導体レーザ、電気光学変調器およびロックインアンプを用い、ファブリーペロー共振器のFSRを零位法によって高精度に決定する手法を理論・実験で明らかにした。キャリア周波数が共振器共鳴点から僅かにずれた状態に半導体レーザを調整し、電気光学素子により周波数変調(Frequency Modulation: FM)を掛け、キャリアの両側に2個のFMサイドバンドを発生させる。この光を共振器に導入し、その透過光を光検出器により観察する。光検出器の出力は電気光学素子に加えた変調信号とロックインアンプにより同期検波を行う。このとき電気光学素子に加えた変調周波数をFSR近傍で走査すると、FMサイドバンドとキャリア間の干渉により、変調周波数がちょうどFSRのときに必ず、ロックインアンプ出力がゼロ点を通る。ゼロ点を通るときの傾きは、キャリア周波数の共鳴点からのずれが、共鳴全値幅の58%のときに最も大きくなることを理論から導き出した。またこの傾きは電気光学素子の変調深さ及び光源レーザの出力に比例することを理論的に見いだした。実際に波長633nm・出力1mWの半導体レーザを、変調深さ1.08radで変調を掛け、光学的共振器長168mmの共振器に導入し、そのFSR(888.867MHz)を測定した。10^<-6>オーダの測定不確かさでFSRの決定が出来た。光源レーザの出力を1Wとすれば不確かさ10^<-9>オーダが達成できる見通しを得た。変調深さをより大きくし多数のFMサイドバンドを利用すると、ゼロ点を通るときの傾きがさらに大きくなることを理論的に予測しており、これを利用すれば不確かさ10^<-10>オーダも達成可能である。
|