研究概要 |
生きた蚊の口吻内マイクロ流れを共焦点マイクロPIV計測し,一度の吸い込みにおける非定常流量変動を計測する.これにより,正確な流量を見積もる.このシステムを用いて口吻内の速度分を計測する.生きたままの蚊を顕微鏡下で固定し,大気圧下において血液を吸わせる.この際,下の腹部にある満腹かどうかを判定するレベルセンサーとなる部分はあらかじめ取り除き,腹部には穴をあけておく.これにより,ポンプ入口と出口においては大気圧となり,ポンプで発生する圧力の影響だけを取り出すことが出来る.この方法を用いると,蚊は吸い込みを長時間続けられるようになり,吸血における流れの計測が可能となる.これまでは赤血球をトレーサーとしていたが,血清の流れとの追従性を確保するためにはナノパーティクルを用いる必要がある.蛍光物質をコーティングしたナノパーティクルの微弱光を計測するために,顕微鏡に取り付けられる高感度のカメラを用いて,PIV計測を行い,口吻内速度分布を取得した.また,ポンプの構造を可視化した. 内径が口吻と同じ20μmのガラス性のマイクロチューブを作成し,それに純水を流し,速度分布計測を計測した.したがって,ニュートン流体のマイクロ流れの特徴をこれにより把握する.さらに,血液をこれに流し,その流動特性の違いを調べる.また,口吻と同じスケールのガラス管内の流れ計測も行い,比較した. マイクロポンプの観察結果に基づき,マイクロポンプの設計を行い、試作品を作製した.
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