研究概要 |
本研究は,液中に発生させたマイクロバブルを芯として中空マイクロカプセルを製造するという新しい中空マイクロカプセルの製造方法について,(D生成メカニズムの解明,(2)製造された中空マイクロカプセルの特性評価,(3)医療分野への応用を目的としています。マイクロバブルを芯として作られる中空マイクロカプセルは,製法が独創的であるというだけでなく,サイズが均一で,かつ高い気密性を有している等,作られた中空マイクロカプセルも全く新しい機能性材料と言えます。特に,中空であること生かした分離性や断熱性,密封された気体をさまざまな部位にデリバリーできる機能,超音波等に対する音響特性など優れた機能を有していることにより,様々な分野で新しい応用の可能性があると考えています。本年度は,ポリ乳酸を殻物質として選択し,上記の3つの課題のうち主に(1)について次の3つの成果を挙げることができました。(1)閉空間に均一な直径の気泡を安定に存在させるための条件を明らかにしました。幽(2)ポリマーが吸着した気泡を油相から水相へ移動させるプロセスについて,その条件を明らかにしました.(3)鋳型とする気泡の直径分布,製造された中空カプセルの外径,内径分布を明らかにしました,より均一な中空ポリ乳酸マイクロカプセルの製造方法を確立すること,および,そのカプセルの特性評価をすることが来年度の課題です,また,電解質ポリマーを殻物質とした中空カプセルの製造も試みました,中空電解質ポリマーマイクロカプセルについては次の2つの成果を挙げることができました.(1)界面活性剤等の添加物を加えることなく,電解質ポリマーを気泡表面に集めることに成功しました.(2)数層の電解質ポリマーで安定に気泡を包むことに成功しました.より詳細なカプセル生成メカニズムの解明,および,そのカプセルの特性評価をすることが来年度の課題です。
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