研究概要 |
本研究は液中に発生させたマイクロバブルを芯として中空マイクロカアセルを製造するといり新しい中空マイクロカプセルの製造方法について、(1)生成メカニズムの解明、(2)製造された中空マイクロカプセルの特性評価、(3)医療分野への応用を目的としています。本年度はポリ乳酸、高分子電解質の中空マイクロカプセルについて、直径、膜厚を制御するパラメータを明らかにし、生成メカニズムを解明しました。具体的には、ポリ乳酸カプセルについて、生成されるカプセルの直径が鋳型の気泡直径よりも小さくなる点に着目し、どのプロセスで収縮するかを明らかにしました。ポリ乳酸を纏った気泡が有機溶媒層から水層へ移動する際の界面の挙動、および完全に水層へ移動した後の挙動を明らかにしました。また、高分子電解質カプセルについて、生成されるカプセルの直径と高分子電解質の濃度の関係を明らかにするとともに、鋳型の気泡を安定に保ちながらレイヤーバイレイヤー法によりカプセル膜を積層する条件を明らかにしました。これらの結果より、中空マイクロカプセルの生成メカニズムが明らかになり、高精度の均一カプセルの製法,簡易な大量合成法の指針を立てることができました。来年度は、製造された均一な中空マイクロカプセルについて、その機械・電気・音響特性を評価することを計画しています。最終的には、製造された中空マイクロカプセルが、超音波造影剤、および薬物伝達システムのキャリアとして有効であることを示すことを目標としています。
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