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2009 年度 実績報告書

電気融合による生体内への耐凍結・乾燥物質の高速高効率導入バイオチップの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20360094
研究機関東京大学

研究代表者

白樫 了  東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (80292754)

キーワード電気融合 / リポソーム / 細胞 / 電気泳動 / バイオチップ
研究概要

H21年度より繰り越された研究計画は,電気融合と電気泳動が同時に行える微小流路と電極構造を持つデバイスの製作を目的としている。同デバイスは,細胞とリポソームを1対1で電極間に配列させた後,パルス電場を印加することで,両者を電気融合する機能を実現する.この機能により,今まで不可能であった細胞内にリポソームに内包した高分子で非膜透過性の耐凍結・乾燥保護物質を効率的に導入することが可能になり,細胞の凍結・乾燥保存法に飛躍的な進展が見込まれる.
当初の計画では波形の電極をマイクロ流路の両壁面に有する形状を作製したが,流路内で細胞とリポソームが均等に配列しないこと,融合を行う流路内に細胞とリポソームを停留させることが困難であることが判明した.その後の予備実験を踏まえた検討の結果,電気融合を行う流路と細胞やリポソームを供給する流路を分離し,電気融合を行う流路の両壁の電極を各壁に沿って1列に配列した柱状電極をもつデバイス形状に変更して試作を試みた.変更したデバイスでは,細胞やリポソームを供給する流路は融合流路より十分に巾広で壁面の柱状電極の接しており,供給流路内に停留することができる.また,供給流路の細胞やリポソームは柱状電極の隙間より融合流路に誘電泳動で侵入し,電極間で配列される.
以上の形状をもつデバイスを,ガラス基板上に電気鋳造とMEMS加工を用いる試作を依頼した.完成した複数のデバイスの一部で,細胞とリポソーム1対1の電気泳動による配列・融合が可能であることを実験的に確認した.但し,これらのデバイスは,全ての試作品について柱状電極のアスペクト比が大きく,かつ電極間距離も非常に短い為,柱状電極とガラス基板面の接合が脆弱であったり,亀裂が生じていた.このため,電極が容易に剥離してしまうので,実用上には更なる加工法の検討もしくは,加工法を考慮した形状の変更が必要であることがわかった.

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公開日: 2012-07-19  

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