研究概要 |
内径3.5mm,外径6mmの石英ガラス菅を反応器として用い,その外周に一対の金属電極を設けて70MHzの高周波電源から電力を供給し,石英菅の中に容量結合性プラズマを発生させた。電極間距離は約20mmで,反応器体積は約200μ-literである。安全性の問題からSiH_4を使うことができないため,本研究ではSiCl_4を用いてSi-NPを合成した。SiCl_4はH_2によって還元され,脱塩素反応を経て原子状シリコンへと分解される。発光分光分析からマイクロプラズマの電子密度およびガス温度を見積もると,それぞれ10^<14>cm^<-3>,1500Kであることがわかった。生成物は反応器下流に設けたフィルターに捕集し,重量の増加分からSi-NPの収量(mg/h)を見積もった。その結果,供給したシリコン(SiCl_4)の40%-50%が粒子として捕集された。このシリコン量子ドットを用い,光吸収特性を調べたところ,400nm以下の光を強く吸収することが分かった。さらに,シリコン量子ドットを介した光-電気変換特性を調べるため,シリコン量子ドットとチタニアを積層した太陽電池型のデバイスを製作した。白色光を照射したところ,量子サイズ効果による光-電気変換量の増加(約5%)が確認された。光-電気変換が可能であることが検証できたため,引き続き電気-光変換による発光デバイスに関して研究を行う。
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