• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

マイクロ波を用いた常温予備乾燥が可能とする冷凍保存の高品位化と細胞損傷の機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 20360100
研究機関九州工業大学

研究代表者

鶴田 隆治  九州工業大学, 大学院・工学研究院, 教授 (30172068)

キーワードマイクロ波乾燥 / 冷凍保存 / 細胞損傷 / 最大氷晶生成帯 / 水分分布 / ドリップ / 解凍特性
研究概要

食品の冷凍操作の前にマイクロ波による常温乾燥を行うことにより、氷晶の成長を抑えて冷凍保存の高品位化を可能とするとともに、冷却エネルギーの低減を図る新しい技術を開発している。この新規技術は従来に無いものであり、本研究によって「マイクロ波デハイドロフリージング」と命名している。
これまでに魚肉を対象とした実験研究を行っており、予備脱水量が5%程度の範囲内であれば脱水による品質劣化を招くことなくその後の冷凍が可能となり、形成される氷晶の観察から組織の圧迫による機械的損傷が低減できることを示した。さらに、解凍速度の影響も大きく、一般に好ましいといわれている急速解凍よりも、組織細胞が水分を再吸収するに十分な時間が取れる緩慢解凍の方が良いという結果を得た。ただし、魚種による違いも無視できないことがわかり、さばにおいては緩慢解凍がよいものの、鯛においては有意な差が見られなかった。この点は今後明確にする必要があると考えている。
一方、根菜類に対しては、水分含有量が多いことから、予備脱水量を10~30%程度に高める必要があることがわかった。
さらに、組織細胞と外部溶液との物質伝達を考慮した数値シミュレーションモデルを作成し、凍結過程における氷晶形成(凝固)過程を対象とした予備的解析を行った。その結果、予備脱水量とともに凍結時間が短くなり、最大氷晶生成帯を通過する時間が短くなるという実験結果と同様の結果を得ることができた。また、内部水分分布と塩分濃度との関連も把握することが可能となり、今後、より詳細な検討が期待されると判断した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 冷凍過程の氷晶成長に及ぼすマイクロ波予備乾燥の影響2009

    • 著者名/発表者名
      鶴田隆治、ヌルホリスハミディ
    • 雑誌名

      日本機械学会論文集(B編) 75巻

      ページ: 1497-1502

    • 査読あり
  • [学会発表] マイクロ波デハイドロフリージングによる冷凍品の解凍特性2009

    • 著者名/発表者名
      上田和明、鶴田隆治
    • 学会等名
      2009年度日本冷凍空調学会年次大会
    • 発表場所
      中央大学(東京都)
    • 年月日
      2009-10-22

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi