研究概要 |
ライデンフロスト温度以上の高温面を液体(水あるいはアルコール)で急冷するときの冷却特性を固液の連成問題という視点から再構築することを目的とした研究で,21年度は,冷却液としてアルコールのミストを用いた急速冷却実験を主に行った.固体側の熱物性として,3種類の高温面(銅,黄銅,炭素鋼)で,その温度範囲は,300~550℃とした.冷却液のサブクール度は,20~60Kで,ミストの質量流束は,20~50kg/(m^2s)とした. 急冷開始温度が,液体の熱物性によってどの程度異なるのかを過熱限界温度に注目した検討を行ない,安定な固液の濡れ開始温度が,過熱限界温度近傍で生じることを測定結果との比較から明らかにした。また,濡れ開始後の固液接触面での表面温度と熱流束の変化を測定した. 均一自発核生成に対し,新たなモデルを提案し,加熱面が2.6×10^6以上の高速温度上昇中に発生する均一自発核生成気泡の発生時刻の推定が実験で得られた発生時刻とほぼ一致することが確認された.更にモデルを高温面に接触したときに生ずる均一自発核生成に適用し,核生成発生の下限界温度を求めた.その下限界温度は,衝突噴流沸騰系で得られた均一自発核生成が終了する温度に近いことを確認した.
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