研究概要 |
ライデンフロスト温度以上の高温面を液体(水あるいはアルコール)で急冷するときの冷却特性を固液の連成問題という視点から再構築することを目的とした研究で,23年度は,固液接触時間と激しい相変化に伴う固液の非接触時間を測定するための温度センサーの開発および22年度の提案した均一自発核生成に対する新たなモデルを高温面の固液に適用し,固液の接触時間や固液の安定な接触が可能となる下限界温度の存在について新たな知見を得た.下限界温度に及ぼす固体の熱物性の影響を明らかにした.また,100MW/m^2以上のパルス加熱においても,均一自発核生成に伴う蒸気爆発が生じることを明らかにした.解析結果から推定された蒸気爆発発生時間が,従来の発生時間とほぼ一致することが確認された. 下限界温度以上での不安定な固液の接触時間と固液の非接触接触を推定し,安定な固液の接触が確立されるまでの時間を推定し,その時の表面熱流束と表面温度の関係を明らかにした.高速ビデオ観察によって,下限温度以上の高温面に液滴を落下させたとき,不安定な固液の接触状況から安定な接触に推移するときの流動状況の観察を行った。また,その時の表面温度と表面熱流束を開発した温度センサー(応答時間:10^<-4>秒)から得られた温度変化から逆問題解析を利用して,推定を行った.解析モデルから推定された下限界温度と推定された下限界温度は,ある程度の一致することが確認された.
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