研究概要 |
内部に3軸のロードセル3個を内蔵しその出力を信号処理することにより6軸の反力を計算するとともに,姿勢センサを内蔵して推定した3軸の姿勢角を用いてセンサ座標系で計測した前述め6軸の反力を全体座標系へ変換することが可能な超軽量・超薄型(厚さ9mm,重量110g)の移動式フォースプレートを開発し,まず,フォースプレート単体での実験を行い反力の計測精度の検証を行った.その移動式フォースプレートを2組柔軟な履物に装着することにより,履き心地と精度の両立が可能な床反力センサを開発した.開発した床反力センサによる計測結果を従来法である据え置き型のフォースプレートでの計測結果と比較した結果,準静的実験,足踏み歩行実験とも非常に良好な結果が得られ,提案したウエアラブル床反力計測システムの妥当性を確認した. さらに,下肢用のウエアラブルな3軸の姿勢センサとしてフォースプレート内蔵の姿勢センサと同様の3軸のジャイロ,加速度計,地磁気センサを用いた姿勢角の推定方法や複数の加速度計により相対角を推定する新たな方法を開発し,前述の履き心地と精度を両立させる床反力センサと組み合わせた計測装置を開発し,その出力に逆動力学を適用してウエアラブルな下肢の運動解析システムを構築し,従来の据え置き型のシステムでは多くの制約のため困難であった例えば階段昇降時時の連続歩行における関節モーメントの推定のような種々の条件での運動解析が可能となることを示した. また,上記の逆動力学の精度向上のための技術として,3次元動作解析装置と床反力計の出力に信号処理を施すことにより人間の部位ごとの質量および重心位置を同定する方法について検討を行い,理論的には提案法による同定が可能であることを示した.
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