1、運転行動データベースの構築:富士河口湖町役場の協力の下で、65歳以上の高齢者の9名の所有車にそれぞれ約2ヶ月間、常時記録型ドライブレコーダを取り付け、運転時刻、車速、加速度、位置、車両周囲映像、運転表情映像などのデータを計測・記録して日常運転データの取得を行った。また比較の対象となる非高齢者として、富士河口湖町役場職員9名の所有車にもそれぞれ約2ヶ月間、同様に日常運転データの取得を行った。 2、高齢者の運転特性の把握:高齢者と非高齢者それぞれの日常運転データから、運転する時間や速度・加速度などの車両挙動の違いなどに着目し、高齢者の運転の特徴の抽出を行った。その結果、運転する頻度の高い時間帯などの行動パターンや、速度や加速度の分布形状に違いがあることが明らかになったが、その一方で、これらは運転者の居住地域や生活スタイルの違いにも影響されるということがわかった。 3、高齢査の運転診断システムの検討:高齢者の実際の運転データを用いて、高齢者の安全運転診断や安全運転教育を行う手法についての検討を行った。ドライビングシミュレータを用いた検査により得られる高齢者の反応速度などの基礎運転特性から危険回避運転能力を推定・評価し、これを、見通しの悪い交差点通過時などの危険予測日常運転データに適用してシミュレーションを行うことにより、高齢者の危険予測安全運転診断やその結果を元にした安全運転教育を行うことができる可能性を導いた。
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