研究概要 |
本研究では、「植物成長型アクチュエータ」を狭隘湾曲地形内の移動探査に適用することを検討した。その実現方法として、柔軟チューブ内の流路を遮断しつつ流体圧で遮断部をスライドさせる「遮断部スライド駆動」に着目し,高変位率・湾曲経路上における高速な運動性能・複数の出力ポートの存在,という特徴を備えた新たなアクチュエータの開発により、高速な植物成長型動作の生成に成功した。 その具体的な手法は、チューブの屈服座屈により流路遮断しながら推力を生成するA-drive(ラムダドライブ)と名付けた駆動原理に基づくものである。今年度は、チューブの座屈点で流路を遮断する現象や条件を解明し,その条件を満たしつつ安定な駆動を持続するために必要なスライダの構成要素やその設計方法を明らかにした。また、座屈点に生じる推力を導出したのち,座屈点とスライダ間との接触状態に応じて力の伝達経路が変化するため,スライダに生成される駆動力に差異が生じることも明らかにした. さらに、A-driveの出力ポートの選び方として,スライダとチューブ双方を駆動する選択方法に着目し,探査機付きスライダをチューブに沿って搬送する繰り出し推進式移動探査機を開発した。そして、偏平チューブ3本を対向配置して各チューブ内の圧力を制御することにより、摺動摩擦を軽減させながら複雑湾曲経路内に探査機を搬送できるアクチュエータを開発し、その妥当性を検証することができた。
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