22年度は昨年度までに原理確認した技術を基盤として、以下の技術開発を進めた。 1.高精度垂直面配線技術 スプレーコートの適正塗布条件を把握し、高さ600ミクロンの段差部へのレジスト塗布を可能とした。また、この寸法の適正露光のため、斜め露光条件を把握した。これら技術に加えて、配線形成のためのメッキ条件を把握した。以上の条件を把握できたため、三次元実装の例として実際に用いられているCOG(Chip on Glass)と呼ばれる光モジュールの実装に適用した。 COGとは、ガラス基板上にチップを実装したデバイスである。本研究で用いるCOGはチップ内部のガラス基板側に光学素子が搭載されており、ガラス基板側から光を受光する。ここではパッケージの側面に配線を形成し、パッケージ上部に電極を配置する構成を提案した。これにより、実装基板の穴開け加工をする必要がなく、平面方向へ広がっていた電極の面積を縮小することが可能である。配線へのめっきを行った結果、異常析出が生じることなく配線パターンが形成できた。この側面配線はすべての端子において0.1~0.2Ω程度であり、現行品と比較しても遜色ない抵抗値であることが分かった。また、信頼性評価において高温高湿試験では500時間/1000時間、温度サイクル試験では500サイクル/1000サイクルなど信頼性に問題ないデータを取得している。さらに、2次実装強度評価においても現行品と同等の実装強度が得られており、本技術が三次元実装へ適用可能であることを示した。 2.貫通配線形成技術 シリコン(110)面の結晶異方性エッチング技術を利用した垂直角柱形成技術において、高アスペクト比の角柱の形成に適用することにより、高さ数百ミクロン、幅50ミクロン程度の角柱形成を可能とした。
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