1.小型・軽量で堅牢に設計した表面電気刺激装置システムの宇宙仕様EMC(電磁環境適合性)評価をJAXAの協力を得て行った。 (1)刺激装置本体については雑音REO2試験、感受性RSO3試験ともに問題の無いことが確認された。 (2)無線通信ではその通信帯域でのRSに対して脆弱であった。 (3)刺激電極部からの雑音が確認され金属膜によるシールドを行ったが、実際には伸縮性シールド線維の使用が前提となるため、その材質や形状などの選定に課題が残った。 2.間欠的長期TESでは自発運動の向上に至らなかったため、日常的に在宅で使用可能なシステムの構築を行った。多チャンネル化のため小型刺激電極を設置した前腕用装具を試作したが、自動マッピングに課題が残った。刺激電圧の高圧化と電流値設定を可能とする回路への改善と、多電極刺激法などの方策を検討する必要性が示唆された。 3.刺激時装着ウェアを改善した。 (1)装着が簡便で、貼付後の刺激電極の微調整が容易なウェアを考案し、試作した。装着完了まで数十秒と、段取り時間の短縮化が可能となった。また試作した含水性の銀織布製刺激電極は従来のハイドロゲル型と同等の性能を有し、2時間の使用実験でも両者の差異はほとんど無かった。 (2)主動筋・拮抗筋上の刺激電極への通電端子を装着ウェア前面にまとめ、配線の煩わしさを改善した。 (3)装着ウェア前面に筋疲労検出用筋音センサをワンタッチで装着できる機構を追加した。 4.筋音による筋疲労特性が筋収縮形態で筋電と異なる結果が得られ、更なる検証が必要である。 5.宇宙でのハイブリッド運動にVRを併用できるよう、刺激装置との機能分担を検討した。また刺激装置によるスポーツ時の矯正利用を開始した。 6.高齢者の深部筋へのエルゴメータハイブリッド運動を試み、活動性に改善がみられた。今後も検証を継続する。
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