メカトロニクスやエレクトロニクス、さらには再生医療などの分野で、デジタルオンデマンドで2次元、3次元の微細構造を創成する技術に対する大きなニーズがある。このような要請にこたえるために、画像形成装置として目覚しい発展を遂げているインクジェットプリンタやレーザプリンタの技術を利用する研究が注目されている。本年度は本研究の最終年度であり、平成20-21年度の基礎的な研究を継続するとともに、研究結果を体系化し、かつ実用化を目指した研究を行った。具体的には、下記の研究を行った。 0.静電インクジェット現象の解明 実験・解析結果をまとめて、静電場における流体の挙動に関する体系的な理論を構築した。今年度は特に、実験結果との比較検討により、静電一表面張力のバランスを示すYoung-Laplaceの式をベースとする理論の妥当性を検証した。 2.マイクロ成膜 電子写真の感光体膜の上に塗布する電荷移動層を、マイクロ成膜を利用してコーティングする技術を開発し、メーカへ技術移管した。高粘度(水の数百倍)でかつ比較的厚膜(数10ミクロン)であることが、前年度に行った電荷発生層と異なる。従来のデイップコーティングにかわる、最小限の塗布液剤でコーティングできる環境適性のよい技術の見通しを得た後、マルチノズル化などの実用化を目指した研究を行った。 5.研究成果の権利化と発表 得られた研究成果を国内外で発表し、研究のまとめを行った。
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