研究概要 |
過年度までの研究結果におけるコーン型(三角錐型)形状のコイルを更に発展させて,送電側には空間的に広い電磁場領域が確保可能なスクエアコイル形状を用いて,海中ロボットのスケールモデル給電システムを検証した.また海中での揺らぎが発生する状況を,更に厳密な電磁気的シミュレーションで検証し,コイル間電磁気的結合の特性を確認した上で送電励磁側コイルの検討を進めた.前年度給電ステーションの基本形として,正四面体の水平方向に4つのコイルが設置される場合から検討を始めたが,今年度前述のコイルを検討した理由として,海中での揺らぎや,海中空間が3次元的自由度を保つことを最大限利用するために,海中空間に於いて広範囲な3次元的磁場分布を得られる様な送電側励磁コイルについて形状を決定した.海中ロボットに於いては,簡易的なスケールモデルを用い,また実際の水中を模擬した水中モデルを製作して実働させた.また送電側給電ステーションの検討には,海中ロボットスケールモデルに内蔵される受電側コンバータに機能性を持たせるシステムを組み込んだ.具体的には,将来エネルギと通信の海中ネットワークを構築するに当たり,給電ステーションのみならず,ロボットに内蔵された受電コイルが送電コイルへとその役割を変え,他のロボットへ電力エネルギと通信情報を送電・送信する事を理想とする旨の実験計画の基,超小型インバータを内蔵した.実際は,内蔵コンバータを送電コイルユニットとして機能する様に製作した.実験結果として,海中を模擬した水中空間において,範囲を限定された空間に磁界を分布させ,スケールモデルである海中ロボットに実際に充電を行う事を確認した.また,スクエアコイルの効果としては,海中空間を模擬した揺らぎのある水中にて,安定給電を確認する事ができた.
|