研究概要 |
本研究は「気液二相流プラズマによる水中有機フッ素化合物の完全分解」と題し,環境水中の微量有機フッ素化合物と工業利用の高濃度有機フッ素化合物を,ともに水溶液中に発生させる気泡内プラズマにより完全分解しその機構を解明することを目的としている。本年度は,パーフルオロオクタン酸PFOAおよび更に難分解性を示すパーフルオロオクタンスルホン酸PFOSの高効率分解に成功した。以下に項目別成果を示す。 (1) 前年度の結果をうけ,酸素気泡内直流プラズマ方式のリアクタを構成するとともに,長時間分解処理実験が必要なことから,冷却機構を備えた実験システムとした。さらに単一気泡リアクタの電極部を拡張して,4並列直流駆動方式の試運転を行い,並列動作に伴って生ずる課題や,電源回路に要求される仕様を明らかにした。 (2) PFOSの分解過程を解明するため,分解過程で生ずる二次生成物を外部検査機関に委託して分析し,その結果を用いてPFOS分解機構の解明を進めた。前年度のPFOA分解過程分析結果との比較により,両者の分解過程の違いを明らかにした。 (3) プラズマ生成方式として,パルスバリア,パルスDCおよびDCプラズマ方式,他方式として,光化学分解方式等(文献値)について,分解特性の比較検討を行った,この結果,水中気泡内気液二相流直流プラズマは高速かつ高効率の分解が実現できることを示した。
|