研究概要 |
本年度は,回送試験に参加する予定の機関が保有する測定システムの基本的特徴を把握するとともに,次年度の本格的回送試験で使用する単板磁気特性試験器(SST)を作製した. 1.環状試料を用いた測定システムの基本的特徴の把握 励磁巻線および磁束密度測定用のサーチコイル(Bコイル)を施した環状試料を用意し,8機関において,回送試験を実施した.本回送試験前に実施した予備的な試験によって,測定誤差が予想外に大きかったので,本回送試験時には,励磁電流および磁束密度に対応した電圧を測定するために,試料に加えてディジタルマルチメータも同梱して試験を実施した.その結果,予備試験において誤差が大きかった2機関が,本試験においても同様な傾向を示した.この点については,次年度以降,波形制御スキームに着目して,誤差原因を明らかにする予定である. 2.100mm幅用小形SSTを用いたHコイルサイズの検討 磁界強度の検出にHコイル法を適用する場合,試料サイズに対するHコイルの長さおよび幅が,測定精度に大きく影響を与える.そこで,小形のHコイルを作製して,局部的な磁界強度分布を測定した結果,Hコイルの長さおよび幅が,試料の2/3および85%程度であれば,代表的な電磁鋼板の商用周波数帯の磁気特性測定において,良好な精度を得られることが明らかになった. 3.国際(IEC)規格で規定されている500mm幅試料用の大形SSTの作製 最終的な回送試験に使用する500mm幅試料用SSTを作製した.
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