研究概要 |
本研究は、水銀、鉛、ヒ素、アンチモンなどの有害性の高い重金属やインジウムなどの稀少金属を構成元素に含まないシリサイド系半導体を用いて、資源・環境リスク対応型の赤外受光素子を開発することを最終目的としている。光通信や夜間モニタリングなどの分野で利用が拡大してきている赤外検出器は、GaAs,InGaAs,InSb,PbS,PbSe,HgCdTe(MCT)など稀少金属や有害金属が構成元素に使われており、その代替え材料の研究は積極的に行われてこなかった経緯がある。 本研究では、クラーク数が大きく、資源量が豊富な元素で構成されるβ-FeSi_2とMg_2Si系材料を用いて波長1.5-5μm域で使用できる赤外受光素子の開発を目的に研究を進めている。本年度はβ-FeSi_2のホモエピタキシャル成長におけるn形ドーピングとMg_2Si系への熱拡散、pn接合ダイオードの試作と評価を中心に研究を進め以下の成果を得た。 ○Mg_2Si単結晶基板の鏡面加工技術を確立した。 ○熱拡散によってMg_2Si単結晶基板にpn接合ダイオードを試作することに成功した。 ○pn接合ダイオードの整流性を確認し、波長2μm付近以下の受光感度特性を得ることに成功した。
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