研究課題
本研究では、へき開再成長T型量子細線の利点を生かして量子細線レーザーの低しきい値発振を行い量子井戸レーザーと比較し、そしてそれらのデバイスが示すレーザー発振特性と光学物性・光学応答を定量計測し、量子細線レーザーの利点や性能が上記の最初の理論予測どおりなのかどうかを検証することを目的とした。15-20周期の量子細線を活性層に用いた垂直配置p-n接合を有する電流注入量子細線レーザー、そのp型とn型を逆に配置した転置型電流注入量子細線レーザー、平行配置p-n接合を有する電流注入量子細線レーザーなど、各種のデバイスに対して、電流注入と光励起により非中性及び中性の電子正孔分布を形成し、利得スペクトルやピーク利得の定量評価を行った。光励起により半導体レーザー中にキャリア生成を行った場合は中性の電子正孔系が形成されるが、p-n接合から電流注入を行った場合には一般に非中性の電子正孔系が形成されるので、同一の量子細線LD試料に対して、光励起と電流注入により励起を行って非中性の効果を抽出し、それが低しきい値化に有効に寄与しうるかどうかを系統的に調べた。単一量子細線電流注入レーザーに、誘電体多層膜による高反射コーティングを施し、究極の低しきい値レーザー発振を試みた。低透明電流を示すデータは得られたが、発振には至らなかった。断面積の小さいナノ構造を活性層に用いた場合の、吸収や利得を定量的に効率よく評価するための手法が開発された。測定系の絶対感度校正のために、過去にルミノール化学発光やホタル生物発光などに用いるため開発した生物化学発光絶対光量計測装置の校正用ツールの改造・活用を行った。
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