研究課題/領域番号 |
20360148
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐野 栄一 北海道大学, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 教授 (10333650)
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研究分担者 |
池辺 将之 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (20374613)
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キーワード | メタマテリアル / 負屈折率 / 磁気壁 / アンテナ / RF CMOS / 無線通信回路 / 複合材料 |
研究概要 |
本研究は、シリコンCMOSプロセスを用いたメタマテリアルを導入することにより高利得なオンチップアンテナを実現するとともに、CMOS回路とメタマテリアルを融合した新たなアンテナ素子を提案する。本年度得られた研究成果は以下の通りである。(1)右手系と左手系(負屈折率)を組み合わせたCRLH構造がアンテナ反射板として作用することから、CMOSプロセスを用いてCRLH構造とその上部に配置したアンテナを試作した。その結果、CRLH構造を形成するための配線抵抗が問題となることがわかった。(2)キャパシタアレイにより人工的に高誘電率層を形成する人工誘電体をアンテナ反射板として使用することを考案した。プリント基板を用いた一人工誘電体サンプルを作製、評価し、基本特性を把握した。人工誘電体構造とその上部に配置したアンテナをCMOSプロセスにより試作、評価し、設計とほぼ一致する特性を得た。アンテナの更なる高利得化のためには、人工誘電体の誘電率を増加させる必要があることを明らかにした。(3)増幅器やミキサなどのCMOS高周波回路とアンテナの融合に向けて、アンテナと増幅器間の特性インピーダンス整合、低雑音設計法を研究し、CMOSプロセスによる試作、評価により、設計法の妥当性を示した。さらに、アンテナと低雑音増幅器を集積化したUltra-broadband(UWB : 3.1-10.6GHz)用回路を実現した。(4)新たな材料としてカーボンナノチューブを誘電体などに分散した複合材料について、導電率、複素誘電率などの基本的な特性、ならびに電磁波シールド効果を評価し、カーボンナノチューブ複合材料の可能性を示した。
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