研究課題/領域番号 |
20360159
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
村上 博成 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 准教授 (30219901)
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研究分担者 |
川山 巌 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 助教 (10332264)
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キーワード | 磁気光学効果 / 磁束量子 / 磁気デバイス / 超伝導磁束量子デバイス / レーザー / 交流変調法 / 電流変調 / 高温超伝導体 |
研究概要 |
本年度の研究実績を以下に示す。 これまでに高速モードにおいては感度として5マイクロテスラを達成し、また超伝導デバイス中の単一磁束量子信号の高速検出にも成功しており、本研究における高速動作モードでの基本要素技術はほぼ確立したといえる。 一方、将来的に超伝導集積デバイスの故障評価ツールとして磁気光学顕微鏡を用いようとすれば、実際にデバイスに印加する数ミリアンペア程度のバイアス電流によってデバイス内に発生する微小な磁場分布を測定し、評価する必要がある。このため今年度は構築したレーザー磁気光学顕微鏡システムの特徴を生かし、これまでにない新たな評価手法として、磁場変調法を取り入れた高感度磁場分布観察に取り組んだ。具体的には、高温超伝導体YBCO薄膜を使ってジョセフソン磁束フロー型トランジスタデバイスを作製し、そのコントロール電流ライン(幅25μm)に40kHzの高速変調電流を印加し、これによって電流ライン周辺に発生する交流磁場の観察を行った。その結果、流す電流の振幅として0.6mA程度の極微小電流に対しでも発生する磁束の分布観測に成功した。従来、本構築システムおよび同様のデバイスを使った直流電流を印加した際の発生磁場分布の観察では、100mA程度の電流を印加する必要があったが、これを100分の1以下まで低下させることができた。この結果は、超伝導デバイスがドライブ状態の磁束分布観察から、デバイスの性能や故障個所評価を行うツールとして、この手法が有用であることを実証できたといえる 以上の結果について、招待講演2件を含む、計7件の国内・国際会議発表を行った。
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