研究課題/領域番号 |
20360162
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
津田 裕之 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90327677)
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研究分担者 |
神成 文彦 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40204804)
小原 實 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90101998)
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キーワード | フォトニックネットワーク / 光道波路 / 相変化材料 / 導波路型回折格子 / 光スイッチ / スペクトル制御回路 / 分散補償回路 / 光通信 |
研究概要 |
スペクトル整形機能を有する高分解能光合分波回路の研究において、群遅延特性及び透過特性のリップルの低減と、透過帯域の一層の拡大のために、レンズ型位相変調部の再設計を行った。第1の改良点は、レンズ型位相変調器の光軸上でレンズを折り曲げる構造を考案した点である。この構造によって、レンズを構成する樹脂材料と石英の屈折率差による反射光が迷光として出力ポートに結合しなくなり、群遅延特性及び透過特性のリップルを低減することができる。第2の改良点は、レンズの両側の曲率半径を異なる値にすることによって、設計の自由度を増やし、低損失化と広帯域化を実現する点である。これらの設計を取り入れた構成について、分散補償能力をシミュレーションしたところ、3-dB帯域幅を37GHz以上に維持して±1000ps/nmの分散補償が可能であることが分かった。これらの設計に基づいた可変分散補償回路を試作した。 相変化材料を用いた光ゲートスイッチを試作した。結晶→アモルファススイッチング及びアモルファス→結晶スイッチングのスイッチング時間(0-90%)を計測したところ、各々75ns、50nsであった。アモルファス化パルスのパルス幅は14ns、ピークパワは160mWであり、結晶化パルスのパルス幅は400ns、ピークパワは25mWである。また、繰り返しスイッチング測定を行い、調芯のずれにより透過率が徐々に低下しているが、1000回のスイッチングが可能であり、平均消光比約10dBで動作することを実証した。
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