研究課題
波長が異なる複数のチャネルの光信号の雑音を一括して除去する方法の実現をめざして研究を進めている。超大容量の伝送を実現するためには、各波長チャネルの信号伝送速度が十分に大きいことが必要であり、そのような高速性を満足する雑音除去(信号再生)方式として、高非線形光ファイバ中の四光波混合(FWM)の飽和を利用した振幅リミティングおよび高次FWMを利用した消光比改善の方式に着目する。そして、この信号再生方式の多波長化を試みる。本年度は、10Gbit/s×3波長のDPSK信号の振幅リミティング、および10Gbit/s×2波長の00K信号の2R再生の実験を行った。前者の実験では、振幅リミティング後の信号を40kmの伝送ファイバを伝送し、振幅リミティングによって伝送途中に生ずる非線形位相雑音を、3チャネル同時に一括して低減できることを示した。後者の実験では、伝送なしの対向(back-to-back)実験において、2チャネルの信号波形の劣化が同時に修復され、受信感度が両方のチャネルにおいて数dB向上することを示した。この一括信号再生方式においては、非線形媒体である高非線形ファイバ入力端において各波長の信号が重ならないようにタイミング調整を行う必要がある。信号の時間的な重なり具合を反映するモニタ信号を高非線形ファイバ出力から抽出し、それを用いて自動的・適応的にタイミング調整を行う機構について考察し、その効果を実証する実験を10Gbit/s×2波長DPSK信号再生・伝送システムにおいて行った。
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