研究概要 |
本年度は、遺伝的ネットワークプログラミング(GNP)によるデータマイニングアルゴリズムをさらに拡張し、従来の離散的なクラス予測方式から連続値が予測可能な方式を提案した。また、これまでの研究成果を拡張・応用した各種システムの開発とその性能検証を行った。 (1)都市交通流予測モデルの構築: 従来システムでは、離散的(Low,Middle,High)に分割された交通流のクラス分けを行ってきたが、本年度はそれを拡張し、交通流の具体的な値(連続値)の予測が可能なシステムをニューラルネットワークと融合することで構築した。 (2)株式のトレンド予測と売買意思決定を行うGNPの構築: 株式のトレンド予測を専門に行うcontrol GNPと売買を専門に行うoperational GNPを構築し、それぞれを進化させることでトレンド予測と売買決定を協調して行うモデルを構築した。 (3)GNPのアルゴリズムに関する研究: 昨年度までの研究を拡張し、並列GNPおよび分散GNPに関する研究を行った。 並列GNPでは、各部分問題を専門的に対処するGNPを複数用意し、それらを並列動作させることで複雑な処理を効率的に行うが、複数GNPの処理が競合した時の効率的な解決法について検討した。具体的には、競合が発生した時に優先すべき処理を決定するシステムを強化学習によって構築した。 分散GNPでは、プログラムの構造を複数個に分割し、プログラム間の遷移ルールを進化によって自動的に獲得するものであり、株式売買シミュレーションで、同じ規模のプログラム構造であっても、プログラムを分割した分散GNPが従来のGNPと比較して優れていることを明らかにした。
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