研究課題/領域番号 |
20360183
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
笠原 禎也 金沢大学, 総合メディア基盤センター, 准教授 (50243051)
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研究分担者 |
井町 智彦 金沢大学, 総合メディア基盤センター, 助教 (60372489)
後藤 由貴 金沢大学, 電子情報学系, 助教 (30361976)
小嶋 浩嗣 京都大学, 生存圏研究所, 准教授 (10215254)
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キーワード | 計測工学 / 情報通信工学 / 人工衛星 / 宇宙科学 / 磁気圏・電離圏 / 衛星通信 / 電波科学 / 自律制御ソフトウェア |
研究概要 |
地球近傍宇宙環境の多点同時観測の実現をめざし、編隊飛行(フォーメーションフライト)する小型衛星群に搭載し、相互に連携をとりつつ観測動作を行なうVLF帯電磁波動観測器の開発に必要な基礎研究を行なった。初年度である今年度の成果は次の通りである。 1. フォーメーションフライト衛星高度連携観測シミュレータの開発 有線LANで相互接続した複数台のPCをそれぞれ個別の衛星と見立て、衛星間通信(コマンド・テレメトリ伝送)を模擬する通信モジュールを開発した。さらに、宇宙空間の通信環境を模擬するため、衛星間通信のデータレートや遅延時間などを任意に制御できる宇宙空間模擬モジュールを開発し、親衛星を中心に様々な環境下での親子衛星間通信の模擬実験の体制を整えた。今後、各衛星上での観測動作を模擬するモジュールを開発し、同シミュレータを用いた連携観測実験を進める。 2. 電磁環境計測データの自動選別・圧縮アルゴリズムの研究 かぐや衛星搭載の波形捕捉器(LRS/WFC)に実装した自動判別機能を月周回軌道上で運用し、実証実験を行なった。さらにあけぼの・かぐやの実測データを用いて、特徴的なデータの識別に必要な特徴量について評価を行なった。 3. 自然波動データを用いたグローバルセンシング法の研究 あけぼの衛星で観測された雷起源電波(ホイスラ)を利用した地球プラズマ圏の電子密度分布の推定法のアルゴリズムを開発した。今年度は、電波伝搬におけるホイスラ波の減衰の効果を同推定法に取り込む改良を加え、その有効性を示した。
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