研究課題
1. 生体計測システムの臨床応用および遠隔測定への適用:1) 心拍・呼吸測定のため、周波数10GHzのホモダイン方式検知システムの低雑音化と同時に、ヘテロダイン方式あるいはアップコンバータを使用した新ヘテロダイン方式と自動ゲイン調整(AGC)機構アンプを備えたクオードラチャー検出器を利用し、遠隔かつ非静止状態の生体を安定に測定できることを実証した。2) スプリアス成分が多く含まれるマイクロ波反射計信号から心拍の時間変化(HRV)を導出する手法を新しく開発し、その周波数スペクトルの低周波成分(0.01-0.15Hz)および高周波成分(0.15-0.45Hz)からストレス評価が可能なことを実証した。3) 超短パルスレーダにより生体イメージングを行う際、皮膚表面からの反射波が内部の腫瘍などからの反射波に比較して非常に大きいため、表面波成分を除去することが大きな課題となっていた。本研究では、反射波信号の周波数領域を二分割、低周波領域が高周波領域に比較し透過性が強いことを利用し、それぞれの反射波を解析することにより表面反射をキャンセルした。すなわち、「反射波→フーリエ変換→周波数域選定→逆フーリエ変換→合成開口処理」の手順で画像再構成を行うことにより、一度の検査で精度の良いイメージングが得られることを検証した。2. 生体計測システムの集積化・高性能化:送受信ホーン一体(モノスタティック)方式、独立(バイスタティック)方式の両者に対し、マイクロ波集積回路技術を利用した基板化システムを試作し、同軸システムと同程度の精度をもつことを検証した。3. 電磁波伝搬シミュレーション:情報通信研究機構(NICT)提供の数値人体モデルを使用し、有限差分時間領域(FDTD)法コードにより実験をシミュレーションした結果、大きさ5mm以下の異物検出が可能なことを実証した。
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