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2011 年度 実績報告書

耐酸セメント系材料の硫酸抵抗性簡易評価法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20360192
研究機関広島大学

研究代表者

河合 研至  広島大学, 大学院・工学研究院, 教授 (90224716)

キーワードセメント系材料 / 耐硫酸性 / 混和材 / 簡易試験
研究概要

本研究は,耐酸性セメント系材料の耐酸性能を簡易に評価できる試験方法の開発を目的とする.具体的には,微粉砕した硬化体試料を硫酸溶液中で反応させ,その時の硫酸溶液のpH変化を測定することによって,その硬化体の耐酸性能を評価しようとするものである.昨年度までの研究では,反応のモデル化にあたって,実験結果に基づき水和生成物ならびに未水和セメント化合物と硫酸との反応速度係数を決定したが,化学成分の中でAl_2O_3,Fe_2O_3に関しては,直ちに硫酸と反応するものと仮定していた.しかしながら,混和材の使用量が多い供試体では,実験値と計算値の間に差が生じていたため,Al_2O_3,Fe_2O_3についても反応速度係数の検討を行った.その結果,混和材使用量が多い供試体において,計算値が実験値とほぼ一致する結果となったものの,混和材使用量の少ない供試体で両者に差が生じる結果となった.ただし,ここで生じている差はpHが比較的高い領域であり,水酸化物イオン消費量のわずかな差がpHとしては大きな差として表れてしまったものである.また,昨年度までの研究により,簡易評価試験によるモデルを用いた劣化進行予測について,混和材の種類,使用量を変化させた各種の供試体の浸漬試験結果を概ね表現できることを明らかとしたが,一部の供試体において,体積膨張と剥落を繰り返す現象を解析的に捉えきれていなかった.この点をさらに検討するため,水和生成物ならびに未水和セメント化合物と硫酸との反応による体積膨張量が細孔空隙量を上回ったときに剥落が生じるとして解析を行った.これにより,体積膨張と剥落を定性的には表現できたものの,浸漬試験結果で見られた膨張後の急激な剥落を再現するまでには至らなかった.この理由として,混和材の使用量や浸漬する硫酸溶液の濃度によって,反応生成物の有する膨張特性が異なることが考えられる.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 簡易評価法を用いたセメント系材料の耐硫酸性評価2012

    • 著者名/発表者名
      河合研至, 森田寛之, 村田元太郎, 大亀寛
    • 雑誌名

      セメント・コンクリート論文集

      巻: No.65 ページ: 368-375

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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