研究課題/領域番号 |
20360196
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
蟹江 俊仁 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10332470)
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研究分担者 |
三上 隆 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00002303)
岩花 剛 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 特任助教 (70431327)
佐藤 太裕 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教 (00344482)
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キーワード | 凍土 / 活動層 / モニタリング / 凍着強度 / 弾性係数 / 温度依存性 / 複合材料 / パイプインパイプ |
研究概要 |
A.凍土地帯における環境影響評価:【環境変化想定フェーズ】 新規パイプラインの計画が進められているシベリアの永久凍土地帯において、土壌水分貯留量の変動幅が非常に大きく、夏季の降水量の150%にも及ぶことが判明した。これは従来の予想を大きく覆すものであり、凍土の分布状況に大きな影響を与えるものと考えられ、冷却ガスパイプライン埋設後の凍上現象による変形を想定する上で、重要な情報が得られた。 B.凍着特性による密着性・気密性評価:【密着性・気密性評価フェーズ】 構造物との密着性やせん断強度には、構造物表面のぬれ性が重要な要素であること、さらに凍着強度には時間依存性があることが判明した。こうしたことから、構造物表面の加工の仕方に加え、凍着時間も含めた管理を行うことにより、密着性や気密性が制御できるとの結論に至った。 C.複合材料構造の変形挙動評価:【新材料・新構造適用フェーズ】 二重管の内部に充填する可塑性材料として砂を用いてきたが、その他の材料として、粒径が一定のガラスビーズなどを用い、充填材の断面保持効果について研究を行った。曲げを受けた際の断面のつぶれ、いわゆるBrasier効果を抑制し、より高い変形追随性を期待するためには、二重管の間の空隙の大きさに応じた適切な粒径管理が必要であることがわかった。また、内部に水を充填した後、凍結させることにより、パイプの曲げに対する強度ならびに靭性が大幅に増加することも判明した。 D.強度管理と自己修復性評価:【基礎実験フェーズ】 上記のBならびにCの研究成果を受けて、チルドガスパイプラインの変形性能は、構造物の表面管理の他、凍結温度、凍着時間などのコントロールにより、かなり大きな幅で制御可能であると判断された。このため、変形後に凍結や融解を意図的に加えることで、曲げ剛性の「自己修復性」を確認する実験を開始した。
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