研究課題
本研究は、都市インフラの地震被災度の迅速な把握と緊急対応のため、(1)ブロードバンド地震被災検知センサの開発、(2)損傷情報を統合して構造物全体の健全度を判定・評価する技術の開発、(3)センシングシステムと健全度解析評価・診断・判断手法を統合した地震被災診断システムの開発を行うものである。光ファイバセンサの開発では、FBG (Fiber Bragg Grating)方式の動的分布センシング手法について、センサ感度向上のためのFBGロングゲージ化手法を適用するとともに、高感度化されたFBGセンサの計測精度や耐久性を実験的に確認した。そして、供用中の実橋梁での長期モニタリング実験によって、センサの性能を継続的に確認した。圧電型センサの開発では、PVDF (polarized polyvinylidene fluoride)フィルムセンサの実用化に向け、センサの長期計測の再現性について確認するとともに、フィルムの最適な保護材の選定を行い、使用環境に対する耐久性の検討を行った。また、供用中の実橋梁でワイヤレス計測の検証を行い、PVDFフィルムセンサの実構造物への適用性を確認した。被災健全度診断判定システムの開発では、多点振動計測情報を利用したニューラルネットワーク損傷検知手法の数値解析的な検討を行った。複数の観測点における振動応答の計測データをニューラルネットワークによって一括学習させることで、損傷発生前後の応答波形の位相差を明確に把握できることが確認できた。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)
Structural Control and Health Monitoring
巻: Vol.18, Issue 3 ページ: 341-360
Structure and Infrastructure Engineering
巻: Vol.6, Issue 3 ページ: 303-315