研究課題
本研究では、時間領域で浮体の波浪応答予測モデルを開発し、風車の回転を含む構造物の大変形を考慮できる振動方程式に取り入れることによる新しい解析モデルを提案し、浮体式洋上風力発電設備の応答予測システムを開発した。また、風荷重と波浪荷重が同時に作用した際の風車と浮体の相互作用を考慮した、振動特性を明らかにした。さらに、非線形波を考慮した応答予測を可能にするとともに、風車の制御機構を利用した浮体の動揺低減手法を提案した。21年度は、前年度に開発された予測モデルを検証するため、軽量セミサブ型浮体を対象として、係留系を含めた全体の動的挙動を風水洞実験により計測し、浮体・係留系の応答特性を明らかにするとともに、波浪応答予測モデルの妥当性と予測精度を検証した。風水洞実験中に係留部が破損し、模型の修理と係留方法を変更する必要が生じたため、風水洞実験は平成22年度に行った。本研究により、様々な波高の規則波に対して流体の粘性による非線形効果を明らかにするとともに、予測モデルによる応答予測と比較することにより、解析モデルの精度を検証することができた。
すべて 2009
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)
土木学会論文集A
巻: Vol.65, No.3 ページ: 604-617