研究概要 |
浮体式基礎を利用した洋上風力発電施設の実現に向けて,(1)低コストな浮体式洋上風力発電施設の基本コンセプトの策定とその成立性の検討,(2)設計の基本ツールとなる,浮体基礎,係留系,タワー,ブレードを一体とした連成振動予測技術の開発,を研究目的とし、連携研究者(京都大・森信人,安田誠宏,海技研・井上俊司)および研究協力者(戸田建設,富士重工業,新日鉄エンジニアリング,佐世保重工業,双日九州,日本ヒューム,ジェイ・パワーシステムズ,ながさき地域政策研究所)とも分担・連携しながら実施した。特に、最終年度となる本年度は実海域実証実験実施のための基礎検討を以下のサブテーマに対して実施した。 A.社会的制約条件の調査 漁業事業者の受容性調査 景観に対する影響と地元住民および関連自治体の受容性調査 その他法的規制に関する調査、等 B.自然環境条件の調査 気象再解析モデルによる設計風速の算定とその検証 波浪シミュレーションによる設計波の算定とその検証、等 C.浮体式洋上風力発電施設に作用する外力の算定と基本設計 空力・流力・弾性・制御力一体解析モデルによる全体系応答予測と設計外力の評価 簡易解析モデルによる強度評価と基本設計検討、等 D.洋上施工の基礎検討 洋上での浮体曳航・設置,タワー・風力発電機の取付施工に関する基礎検討 E.実証実験計画の素案作成 本基礎検討を通じて、2MWクラスのハイブリッドスパー型浮体式洋上風力発電施設の技術的成立性を確認した。
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