研究課題/領域番号 |
20360206
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
石川 達也 北海道大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (60359479)
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研究分担者 |
三浦 清一 北海道大学, 大学院・工学研究院, 教授 (00091504)
横濱 勝司 北海道大学, 大学院・工学研究院, 助教 (50299731)
亀山 修一 北海道工業大学, 空間創造学部, 教授 (30295894)
川端 伸一郎 北海道工業大学, 空間創造学部, 准教授 (10224833)
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キーワード | 地盤工学 / 舗装工学 / 交通荷重 / 凍結融解 / 礫質土 / 路盤 / 主応力軸回転 / 繰返しせん断 |
研究概要 |
1.凍結融解、含水状態が路盤材の凍上性・力学特性に及ぼす影響を明確にするため、気乾・湿潤・浸水の各含水状態で一連の要素試験(凍上、CBR、保水性、せん断)を実施した。その結果、非凍上性の路盤材において、凍結融解に起因した強度・剛性の低下が確認された。また、路盤材の強度及び繰返し載荷時の残留変位は含水比の影響を強く受けることが明らかになった。 2.試験舗装において長期計測(温度、土壌水分等)とFWD測定・輪荷重載荷試験等を実施した。その結果、凍結期に路盤剛性は増加し融解期に低下すること、及び剛性の変化は路床・路盤の凍結融解に伴う土壌水分量の季節変動と密接な関連性があることが明らかになった。また、試験舗装における計測結果と、本研究で実施した要素・模型試験結果の傾向が一致することから、その妥当性を検証した。 3.路盤の凍結融解が舗装構造の疲労寿命に与える影響を評価するため、舗装構造の理論的設計法を用いて、凍結融解及びそれに伴う含水比の変化を考慮し路盤剛性を季節変動させた疲労破壊寿命解析を実施した。その結果、As層や路床の暫定破壊基準から計算される疲労破壊年数は、路盤凍結時に長くなり融解時に短くなる傾向が確認された。このため、凍結融解作用を受ける舗装構造の進行性破壊予測モデルの構築には、凍結融解に伴う下層路盤の剛性変化を考慮することが重要であると結論される。 4.上記の理論的設計法に基づき舗装構造の長期性能を評価した場合、As層や路床の暫定破壊基準から計算される疲労破壊年数は路盤剛性の季節変動を考慮しない場合に比べ長くなる傾向にある。特に、この疲労寿命の増加割合は、積算寒度の変化に強く影響されることから、積雪寒冷地の舗装構造設計に凍結融解履歴の影響を評価可能な理論的設計法を適用することは意義があると結論される。
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