研究課題
ガスハイドレート(GH)層の力学特性を調べる孔底三軸試験方法の要素技術の確立を目指して、以下に示す4項目の研究開発を行った。1. 装置の小型化をするため、孔底三軸試験に相応しい変位の計測センサーとして、円筒セルの内側と外側を包むゴム膜にひずみゲージを予め組み込む方式を採用した。ゴム膜の形状は複雑になるが、計測センサーの占める空間が極小化される。今後、泥水中でも試験体に圧接により貼付できることを確認する。2. 所定の形状・寸法の試験体を孔底に経済的に作製するため、掘削溝の幅を最小化し、かつ一段階でドリリングする方法を採用した。変位の計測センサーとしてひずみゲージを採用したこととゴム膜の補強により、溝の幅を従来の25mmから12mmに減じた。3. セルの構造や制御を単純化するために、拘束圧をある程度保持して引き上げることにより軸圧縮した試験体を回収する方法を採用した。今後、どの程度の拘束圧が必要であるかを実験的に確認する。4. 少ない試験数で地盤の強度特性を評価するため、さまざまな多段階載荷方式の三軸圧縮試験を実施し、応力経路(拘束圧の設定順序、等方・異方圧密)、破壊の判定方法、繰返し載荷の回数などが、求められる粘着力とせん断抵抗角に及ぼす影響を検討した。試験結果の解釈に際しては、繰返し載荷による損傷をモデル化することが可能なMLDモデル(多段階載荷損傷モデル)を評価に利用し、強度特性を精度良く評価することが可能な多段載荷方式を開発した。
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基礎工 Vol. 37、No. 4
ページ: 4
International Journal of Rock Mechanics and Mining Sciences Vol. 45, No. 5
ページ: 800-806