研究課題
ガスハイドレート(GH)層の力学特性を調べる孔底三軸試験方法の要素技術の確立を目指して、以下に示す3項目の研究開発を行った。1、ひずみゲージを予め組み込んだゴム膜について、ゴム膜の堅牢性や耐圧性、ケーブルの配置、構造の複雑さ、施工性などの観点から、その形状と固定方法及びその表面へのひずみゲージの圧着方法について平成21年度に引き続き実験的に検討した。その結果、2重にしていた円筒ゴムを1重にして施工性を改善すると共に、接着範囲をひずみゲージを貼付する範囲だけでなく全周に拡大するように変更した。さらに、接着剤の厚さが計測精度や接着の信頼性に及ぼす影響を繰返し載荷の一軸圧縮試験によって検討し、接着剤の厚さを0.3-0.5mmとして一様に塗布することが重要であることを明らかにした。2、上記の全周接着の方法について、有限要素解析により、接着剤と試験体の剛性比及び接着範囲の大きさが計測結果の精度(感度)に与える影響について検討した。その結果、接着剤と試験体の剛性比が0.5-2.0の範囲について、接着剤をゲージ長の2倍程度の範囲に厚さ0.3-0.5mmで塗布する場合には、計測誤差は数%以下であることを明らかにした。3、平成21年度に作製した直径100mmの試験体を対象とした孔底三軸圧縮試験用セルを用いて、室内で人工岩に対して模型実験を実施した。その結果、多段階載荷方式の三軸圧縮試験が実施可能であることを確認すると共に、セルの孔底への挿入やひずみゲージの試験体の側面への圧着などの作業性について改善を行った。
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Geotechnical and Geological Engineering
巻: Vol, 28, No.3 ページ: 241-249