研究課題
本研究の目的は、下水道管渠破損による管渠周辺地盤のゆるみ発生メカニズムを解明すると共に、その対策工の提案を行うことである。下水道管渠周辺地盤を小型土槽内に作成し、土槽内において給排水を繰返してゆるみ・空洞の進展を再現させ、その現象についてX線CT装置を用いて解明する。ここでは、より実際の現象を再現するために土槽底部に下水管模型を設置し、さらに破損形状および規模の違いによるゆるみ発生メカニズムへの影響について比較検討する。特に破損形状、地盤材料、拘束圧の変化および給水圧に着目し、X線CTスキャナを用いてゆるみ・空洞領域の発生メカニズムを3次元的に可視化し、それらを定量的に評価することを試みる。また、以上の実験成果について、数値解析によりこれを検証すると共に、最終的には、これらの結果を基に、ゆるみ領域の発生を軽減する対策工について提案するものである。以下、本年度に実施した内容について説明する。1.実験結果の再検討と必要に応じた再実験の実施:20年度に実施した実験より得られた種々の地盤条件および給排水条件下での結果を再度検討し、必要に応じた再実験の実施および新たな条件下での同様の実験を実施した。2.対策工についての実験的検討:ここでは、対策工法として、管渠周辺に比較的粒径の大きいレキ材層を用いる場合と、ジオテキスタイル(高分子系の補強材料)を敷設した場合の2つについて検討した。結果としては、両工法ともに地盤内のゆるみ領域を軽減する効果が期待できることがわかった。本研究で得られた実験結果を基に、最終年度(22年度)は、数値解析との比較検討を行い、最終的な成果をまとめる予定である。
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Soils and Foundations Vol.49No.6
ページ: 959-968
Proceedings of International Joint Symposium on Geodisaster Prevention and Geoenvironment in Asia JS-Fukuoka
ページ: 167-170