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2008 年度 実績報告書

地球温暖化時における河川流量変化の予測と対応策に関する検討

研究課題

研究課題/領域番号 20360219
研究機関京都大学

研究代表者

立川 康人  京都大学, 工学研究科, 准教授 (40227088)

研究分担者 椎葉 充晴  京都大学, 工学研究科, 教授 (90026352)
市川 温  京都大学, 工学研究科, 助教 (30293963)
キーワード地球温暖化 / 気候変動 / 適応策 / 流出モデル / ダム制御 / 洪水 / 渇水 / 河川流況変化
研究概要

1)日本全域を対象とした温暖化時の流量変動予測
日本全域を約1kmグリッドで表現する水文予測モデルを開発した。このモデルは1km分解能で日本全国の河川流量を、キネマティックウェーブモデルを用いて計算するモデルであり、斜面部と河道部の流れは等値粗度によって区別する。この流出モデルへの入力は、気象研究所から提供される水文気象データのうち、気象研究所の超高分解能大気大循環モデルが出力する空間分解能20km、時間分解能1日の表面流出量と地中流出量とを用いる。現在気候、近未来、21世紀末の上記の流出量データを用いて、日本全流域を対象とする河川流量計算を実施し、河川流量計算によって得られた流況曲線をもとに、河川流況の変化を分析した。その結果、年平均流量では将来に渡って大きな変化は見られないが、年最大流量や渇水流量、融雪期間の最大流量や融雪流出の発生時期は、流域によって大きく変化する可能性があることが見出された。
2)特徴流域における河川流況の変化分析
上記の分析で、流域ごとに将来の流況が大きく変化する可能性が見出された。そこで、それらの流域のなかで融雪流出に関して流況変化の可能性がある最上川流域、豪雨による洪水流出に関して変化の可能性がある吉野川流域を対象とし、ダム制御の効果を含んだより詳細な分布型流出モデルを構成し、気象研究所から提供される温暖化推計情報を用いて、将来の河川流量を計算し、現在機構における流況と比較した。その結果、最上川流域では21世紀末には春季の融雪量の減少と冬季の降雨量の増加によって現在の融雪流出のピークである4月の河川流量が大きく減少し、1月から2月の流量が増加して結果として1月から5月の流況が平滑化される可能性があること、吉野川流域では年最大24時間雨量などの短時間の降水極値の値が増加し、低頻度の洪水ピーク流量が増大する可能性があることなどが見出された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 地球温暖化が最上川・吉野川流域の河川流況に及ぼす影響について2009

    • 著者名/発表者名
      立川康人, 滝野晶平, 市川温, 椎葉充晴
    • 雑誌名

      水工学論文集 53

      ページ: 475-480

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 河川流量の将来推計に必要となる大気モデルの時空間スケールと精度について2009

    • 著者名/発表者名
      立川康人
    • 雑誌名

      水循環, 貯留と浸透 71

      ページ: 24-27

  • [雑誌論文] Assessing Climate Change Impact on Water Resources in the Tone River Basin, Japan, Using Super-High-Resolution Atmospheric Model Output2009

    • 著者名/発表者名
      Kaoru Takara, Sunmin Kim, Yasuto Tachikawa, Eiichi Nakakita
    • 雑誌名

      Journal of Disaster Research 4

      ページ: 12-23

    • 査読あり
  • [学会発表] 地球温暖化が最上川・吉野川流域の河川流況に及ぼす影響について2009

    • 著者名/発表者名
      立川康人, 滝野晶平, 市川温・椎葉充晴
    • 学会等名
      土木学会水工学講演会
    • 発表場所
      芝浦工業大学
    • 年月日
      2009-03-04

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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