研究概要 |
大気海洋間の気体輸送現象解明のために風波界面近傍に生じるホワイトキャップのメカニズムの解明を目的として,最新の画像計測装置を用いてホワイトキャップ内の詳細なメカニズムを計測することを目的としている.まず風波内部でのホワイトキャップ発生メカニズムを高速ビデオカメラにより計測するために水槽の改良を行った.風波を自動的に追跡できる走行台車の試作を行った.現有の50cm×50cm×17mの風洞水槽の上部に走行台車が走行できるように,走行台車自身も風洞部分内に設置し,外気との気体のやり取りがないようにし,気体輸送現象の計測を可能にしている.ホワイトキャップの高速ビデオカメラによる計測が可能なように走行台車は設計されている. 同時にホワイトヤップの基礎的な計測として,円噴流が水面に衝突する場合に混入する気泡におよぼす塩類と運動量の影響について実験を行い,塩類の有無が気泡径分布に与える影響を明らかにした.一方,砕波におけるボイド率および気泡の特徴量についての実験計測およびデータ解析を行った.規則波・不規則波を問わずボイド率の鉛直および時間変化は静水面におけるボイド率から推定可能であり,乱流強度もしくは波のエネルギー散逸率から推定できることを明らかにした. また,ガス輸送効果の評価を行うために必要な全球規模データの収集を行った.風速・温度データにおいては、NCEP/NCARの6時間毎の再解析データ、大気-海洋間二酸化炭素分圧差においては、コロンビア大学Lamont-Doherty Earth ObservatoryのTakahashiグループによるデータを収集した.
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