研究概要 |
◆研究業績◆ 洪水減衰期に形成される水みちの発達過程,洪水減衰期に形成された水みちが平水流量から受ける影響および平水流量に明瞭化された水みちが洪水流下に及ぼす影響については,これまでの基礎的水理実験結果および数値解析結果を利用し,平成22年および23年に発生した実際の洪水時の河岸侵食を伴う流路変動について解析し,その被災原因の特定が可能であることを示すとともに,洪水中に形成される中規模河床形態は,初期河床形状に大きく依存することを明らかにした.流量に応じた川幅の決定機構の理論解析については,新たに水理模型実験を行いその結果と理論解析結果により,水理量によって現象が大きく変化することを明らかにした.すなわち,理論解析で特異点を持つ会が得られる際の水理では,ある幅を持った流路の形成が見られ,特異点を持たない場合には,特定の幅の流路の形成が見られず解析結果に応じた中規模河床形態が生ずることを明らかにした.また,開発された座標軸非依存型の河道変形モデルを用いて,拡縮流路においては,複列砂州の形成条件を与え続ける限りは複列砂州が維持されることが明らかとなるとともに,単列砂州の形成条件を与えると単列砂州が形成されて維持されることを指摘した.さらに,河床変動と河岸変動を同時に計算出来る数値計算モデルを開発し、粘着性河岸河川や非粘着性河岸の札内川に適用しその有効性を確認した.また,モデルによる解析結果から河川の水みち形成に対する植生や混合粒径の影響の検討をおこなった.
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