研究課題/領域番号 |
20360225
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
森杉 壽芳 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 名誉教授 (80026161)
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研究分担者 |
林山 泰久 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (20260531)
河野 達仁 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (00344713)
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キーワード | 公的資金の限界費用 / 最適高速道路料金 / 最適高速整備延長 / 最適道路財源諸税率 / BRT / 最適混雑税率 / 費用便益分析 / 限界純支出比 |
研究概要 |
効率的な高速料金に加えて効率的な道路財源諸税率と高速・一般道路の整備水準を求める公式を作成することが今年度の課題であり、その成果は以下のとおりである。 第1に、高速料金、燃料税およびその他の料金・税からなる収入が、高速道、一般道、およびその他の公共投資・支出の和に等しいという財政制約下での効用(準線形)を最大にする最適な高速道・一般道・その他の投資水準と最適な料金・税率水準を求める問題を定式化した。 第2に、上記の問題を図化することに成功した。すなわち、横軸の長さを最適投資額、原点から料金収入、右端からは補助額をとり、縦軸には、順に、投資限界純支出比(限界便益÷(限界投資額(=1)-限界料金税金収入)、料金の限界費用、補助財源の限界費用曲線を描く。後2者の交点が最適料金と最適費用負担を示し、その水準と等しい投資限界純支出比となる投資額が最適投資額となることを示した。 第3に、最適性は(1)すべての財源(料金、税)の限界費用が等しく、(2)すべての投資の限界純支出比が等しく、(3)財源の限界費用と投資の投資限界純支出比が等しい、という条件である。 第4に、混雑が発生しているときの料金の限界費用の定式化を行い、混雑があるときの限界費用は費用ではなく便益が発生し、限界費用はプラスの値にもマイナスの値にもなりうることを示した。 第5に、平行する道路に混雑税を課してBRTの財源を調達するというケーススタディを行った。この時の定式化は、BRT通行料、自動車混雑料金、既存バス通行料金の3者を最適にする水準を求める形式となること。最適条件は料金の混雑に与える相互作用のために複雑な非線形連立方程式となること。総余剰は3者の線積分で求めることができることを示した。
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