研究概要 |
河川における濁水の長期化問題は,河川の開発にともない,山間部の河川にダムや堰などの人工構造物が建造されることで,降雨時には,その構造物が上流域において発生した濁水の流下を遮るため,懸濁物質が貯水池内に貯留・滞留し,その後,放水などの際に滞留した濁水を放流することにより,下流河川において濁水が長期間にわたって生じる現象である。濁水の長期化が引き起こす被害は,景観・レクリエーション価値の低下,川魚などの水産資源への影響(成長阻害や漁獲高低下),生態系への影響,稲の生育阻害,水道用水や農業用水の浄化設備への影響などがあり,河川環境の悪化をもたらすともに,河川を中心とした様々な生産活動に影響を及ぼすこととなる。そこで,本研究では,濁水の発生源である貯水池上流域が濁水に及ぼす環境的影響を定量的に明らかにすることを目的として宮崎県一ツ瀬川上流域を対象として研究を行う。
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