研究課題/領域番号 |
20360245
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
菊地 優 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50344479)
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研究分担者 |
田村 和夫 清水建設(株), 技術研究所, 副所長 (50416822)
西村 拓也 清水建設(株), 技術研究所, 研究員 (70470325)
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キーワード | 免震構造 / 耐震設計 / 積層ゴム / 軸力 / 座屈 |
研究概要 |
平成21年度は、免震積層ゴムの終局挙動評価技術の開発を行った。鉛プラグ入り積層ゴムに関しては、従来の力学モデルでは積層ゴム断面内で一律と仮定していた鉛直剛性に、ある分布形状を与えることで、実験結果の予測精度を大きく改善した。もう一種類の免震積層ゴムである高減衰積層ゴムについては、縮小試験体による加力試験を実施して終局状態の力学データを取得したとともに、シミュレーション解析により実験結果の再現を行った。高減衰積層ゴムでは、ゴム部が引張降伏した後に硬化する特性(引張硬化特性)を考慮することが、実験結果の予測精度向上にとって重要であることが明らかとなった。一方、多様な応力状態での免震積層ゴムの力学挙動を評価するために、昨年度開発した並列軸ばねモデルの軸ばね層を上端、下端に加えて要素中間にも設置するという3層モデルに拡張することで逆対称分布以外の曲げモーメントにも対応できるような改良を行った。免震積層ゴムの断面内の鉛直剛性分布、引張硬化特性の考慮、3層軸ばねモデル3つのアイディアは、免震積層ゴムの終局挙動予測精度を大きく改善する重要な知見であり、いずれも今年度中に査読論文として公表した。平成21年度後半は、免震積層ゴムの2方向加力状態における終局挙動の検討を新たに加えた。カリフォルニア大学サンディエゴ校の試験装置を用いて実大積層ゴムの動的2方向加力試験を行うとともに、平成21年度前半で開発した終局挙動評価モデルを2方向加力状態に対応できるような拡張を行った。以上のように、平成21年度中に免震積層ゴムの終局挙動評価技術の構築と、解析システムの開発を予定通り終了した。
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