研究課題
1.有筋試験体の曲げ試験とひび割れ観察断面寸法を主たる変動因子とする主筋を有する試験体の曲げ加力試験を行い、曲げ性状およびひび割れ性状を確認した。ひび割れ幅は無筋の場合と大きく変わらないもののひび割れ間隔が大きく影響を受けた。無筋試験体の曲げ試験によって得られた最大応力に対する寸法効果の程度を、純曲げスパンの評価体積を用いて定量化した。さらにECCと鉄筋の相互作用によるテンションスティフニング効果を評価するため、有筋試験体の両引き加力試験を行った。ECCではひび割れでの繊維の架橋応力が存在するためテンションスティフニング効果は差ほどではないが、鉄筋効果による変形能力の増大が確認された。また、有筋試験体による繰返し曲げ載荷加力試験を行った結果、ECCの応力-歪関係の履歴としては、無筋の場合のモデルを適用することが可能であった。2.X線CTによる繊維配向の可視化の試行Spring-8での撮影は実現できなかったため、民間保有の機器によりCT撮影を行った。画像データの取得に成功し、今後、CT画像中における繊維画像のみの抽出を試みる。CT画像中における黒点の大きさと形状および連続画像における黒点の連続性に着眼し、繊維のみの三次元化画像を得る。3.繊維とマトリックスの付着試験ECCの引張性能は、繊維とマトリクスの付着特性に支配される。水セメント比、付着長を主たる変動因子とした試験体に対して、マトリクスに埋め込まれたPVA単繊維の引抜試験を行った。単繊維引抜試験結果からモデル化した付着応力-すべり量関係を用いて付着解析を行った結果、既往の一軸引張試験における荷重-変形関係と概ね一致した。
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14th World Conference on Earthquake Engineering, Conference Proceedings DVD 05-03
ページ: 157
コンクリート工学年次論文集 31
ページ: 283-288
ページ: 1315-1320
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