研究分担者 |
田中 仁史 京都大学, 防災研究所, 教授 (20132623)
西山 峰広 京都大学, 工学研究科, 教授 (50183900)
坂下 雅信 京都大学, 工学研究科, 助教 (50456802)
塩原 等 東京大学, 工学研究科, 准教授 (50272365)
寺岡 勝 呉工業高等専門学校, 建築学科, 教授 (60442464)
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研究概要 |
PCaPC柱部材のせん断性状を把握することを目的に,125MPaの高強度コンクリート及び高強度せん断補強筋(公称降伏強度785,1275MPa)を使用した6体のPCaPC柱試験体に対する静的載荷実験を行った。 ・靭性指針式を用いて曲げ破壊に先行してせん断破壊が発生する設計としたが,実験における破壊形式は,pw=0.32%の試験体では端部コンクリート圧壊による曲げ破壊後のせん断破壊,pw=0.63%の試験体では端部コンクリート圧壊による曲げ破壊となり,明確なせん断強度が得られなかった。なお,最大せん断力時にPC鋼棒の引張降伏は確認されなかった。 ・pw=0.32%の試験体では,正載荷時と負載荷時の最大せん断力で約25%の差が出た試験体が2体あった。これは,正載荷時に発生したせん断ひび割れの影響により,負載荷時に部材の曲げ強度を発揮できなかったものと考えられる。 ・曲げ破壊で決定された最大せん断力は,同じ種類のPC鋼材を使用した場合には,せん断補強筋量及び降伏強度による違いはほとんど無かった。異形PC鋼棒を用いた試験体の最大せん断力が丸鋼を用いた試験体の最大せん断力に比べて,若干大きくなる傾向が見られ,PC鋼棒の付着性状が曲げ強度に影響を及ぼすことが示された。 ・エネルギー吸収性能や残留変形は,目立った損傷が発生していないR=0.25%まではいずれの試験体でも非常に小さな値で推移したが,最大せん断力を発揮したR=0.5%以降では,せん断補強筋量により明確な差が確認でき,部材の損傷と密接に関係していることが分かった。 ・平面保持仮定に基づく断面解析により曲げ強度評価を行い,実験における最大せん断力を非常に精度良く予測することができた。
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