研究分担者 |
田中 仁史 京都大学, 防災研究所, 教授 (20132623)
西山 峰広 京都大学, 工学研究科, 教授 (50183900)
田村 修次 京都大学, 防災研究所, 准教授 (40313837)
坂下 雅信 京都大学, 工学研究科, 助教 (50456802)
塩原 等 東京大学, 工学研究科, 准教授 (50272365)
寺岡 勝 呉工業高等専門学校, 建築学科, 教授 (60442464)
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研究概要 |
高強度材料を用いた鉄筋コンクリート(UHPRC)架構に高性能材料を用いたダンパーを付与した建築構造物を用いた損傷制御型システムの提案を目的にして研究を行った。2009年度は,拘束効果,曲げ・せん断特性,変形性能などの基本性状の把握と損傷評価法の確立,UHPRCを用いた損傷制御型建物の構築に焦点を当てた。 せん断補強筋の規格降伏強度(785MPaおよび1275MPa)と量(p_w=0.19%,0.32%,),載荷方向(0度,45度)を実験変数とし,圧縮強度170MPa級の高強度コンクリートを用いたPCaPC柱試験体4体の曲げせん断実験を行った。いずれの試験体もせん断破壊による耐力低下が見られたが,最大耐力時には実験変数や載荷方向によって異なる破壊モード(せん断引張破壊,せん断圧縮破壊,せん断斜張力破壊)を示した。既存の設計式を用いてせん断耐力の予測精度を確認したところ,実験で観測された破壊モードに対応したせん断ひび割れ強度式やNewRC式を用いた場合に,最大耐力が精度良く評価できることが分かった。 また,三木市E-defenseにおけるNEES/E-Defense日米共同研究コンクリート系実大建物実験研究「高性能鉄筋コンクリート造建物の開発研究」に参加し,実大4層ロッキング型高性能RC造建物の振動台実験に本研究課題でこれまでに明らかとなった知見を反映させて,設計・載荷実験に関与した.この実大実験では,1階のPC柱およびPC壁の脚部が損傷を受け骨組剛性が大きく低下したが,その他の性能は,既存のRC造建物に比較して機能維持・早期復旧に関して大変優れていることが分かった.今後は,脚部の損傷防止策を提案し,提案する構造形式を実用化する.
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