研究課題/領域番号 |
20360257
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
長野 克則 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80208032)
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研究分担者 |
桑原 浩平 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40374582)
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キーワード | 稚内層珪藻頁岩 / 調湿 / 脱臭 / アンモニア / 生活臭 / 調理臭気 / セラミックフィルター / リサイクル |
研究概要 |
北海動北部の稚内地域で産出される天然のナノポーラス材料である稚内層珪藻頁岩を用い、室内で発生する生活臭などの臭気や、調理等で発生する臭気を吸着によって脱臭する空気浄化フィルターを開発した。稚内層珪質頁岩粉末(70ミクロン以下)を85%、および2種類の粘土粉末を15%配合したものを水と混練し、真空押し出し機でハニカムダイスを用いて押出成形し、800℃にて2時間焼成することでセラミックフィルターを得た。そのハニカムセル数は平方インチあたり200セルであった。 このセラミックフィルター(50mm×50mm、長さ60mm)を用い、アンモニアを用いて吸着試験を行った。5ppmに調整したアンモニアガスを4m^3/hrで25℃、相対湿度50%のアンモニアガスを混合し5ppmに調整したアンモニアガスを導入し、吸着破過試験を行った。その結果、導入したアンモニアの80%が捕集された。その後温度25℃、相対湿度50%の清浄空気を通気させるととで、吸着したアンモニアはゆっくりと脱着した。これにより、調理時や臭気発生時には、フィルターによって臭気を吸着捕集することで脱臭し、非調理時には、室内空気の通気排気により、吸着成分が脱着するため、フィルター吸着能の持続性が維持出来ることが分かった。 最終年度は、このフィルターに室内模擬複合臭気や調理臭気などを通気させたときの臭気除去性能を定量的に把握するとともに、実際のレンジフードシステムのダクト配管内に設置し、長期的な臭気除去性能について検討する。また、リサイクルの可能性の検討のため、高濃度臭気や、たばこ等に暴露されたフィルターを低温焼成し、焼成後の臭気除去性能や細孔分布評価、水蒸気吸着性能評価を行う。
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